毎月、月初にお届けする「産業医からのメッセージ」
会社の健康管理やメンタルヘルス対策の取り組みをサポートする産業医としても勤務している精神科医・心療内科医の益子が、パフォーマンスを上げて働くことをエンジョイできるよう、いま気を付けたいことについてお話しします。
音声配信はこちらから
note 『産業医からのメッセージ』2021年11月
https://note.com/vanilladolphin/n/n60c9b39618f6
『からだの広場』
note
https://note.com/karadanohiroba/m/m885ca46f1449
Apple Podcast
https://apple.co/3iBpK5l
今月は、
脳・心臓疾患の労災認定基準が改正されたことについてお話ししています。
過労死や過重労働は社会問題となっていますが、
労働者が脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患や心筋梗塞などの心臓疾患を発症した場合に、それが労働災害に該当するかどうか認定基準が定められています。
前回の改正から約20年が経過しており、最新の医学的知見をふまえて見直しが図られたようです。
改正のポイントは、
■長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化
■長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直し
■短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
■対象疾病に「重篤な心不全」を追加
<厚生労働省HPより(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21017.html)>
となっていますが、
これまで重要視されていた労働時間だけでなく、労働時間以外の負荷要因も含めて、総合評価してより柔軟に判断されることになること、が最も重要視されるポイントと思われます。
このように改正されたことの本質を考えると、
・会社は労働時間はもちろん、それ以外の負荷要因についても、しっかりと把握し、管理する必要があること
・会社のみならず、労働者一人ひとりが負荷要因となることについて理解し、意識をもつ必要があること
が大事であると思います。
11月は、「過労死等防止啓発月間」でもあります。
これからの働き方、自分の健康を大事にしながら働くということについて、
いま、このタイミングでしっかりと向き合ってみましょう。
今月のキーワードは 『働くこと、働き方を見直す』 です。